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理事長所信

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はじめに

 この75年を振り返り、未来へつながる組織にしよう。
 第二次世界大戦後の荒廃した日本に「新日本の再建は青年の仕事である」という志を持った若き青年たちの信念が結集し、1950年に函館青年会議所が全国で 4 番目の青年会議所として誕生しました。


 函館青年会議所は75年の永きに渡り、それぞれの時代背景の中で先人たちの弛まぬ努力と情熱のもと、このまちで「明るい豊かな社会」の実現に向けて、運動を続けてまいりました。


 今、日本は少子高齢化や人口減少、経済は衰退の一途を辿り、函館市も同様に人口減少の影響があり1984年には32万人いた人口が、2024年には23万人へと減少、将来的な人口予測も2035年には20万人を割ってしまうという状況となります。我々函館青年会議所においても年々メンバー数の減少が止まらず、2025年は30名前後でのスタートとなります。私たちは改めて青年会議所設立の原点である創始の志を今一度思い返し、未来に向かって力強く運動を展開していかなければなりません。

創立75周年を迎えるにあたり

 現在我々が函館青年会議所として活動できているのも、設立以来、諸先輩方がこの地域を想い尽力していただいたおかげです。この75年間、函館青年会議所を守り紡いできてくれた諸先輩方に敬意を表し、感謝の気持ちをお伝えすると同時に、先輩方や行政、関係諸団体などへ我々の活動の賛同をしていただき、さらなら強固な関係性を築くとともに、深く心を通わせ、改めて私たちが地域に必要とされる存在であるという自覚を持ち、これからの運動に取り組んでまいります。


 また、我々函館青年会議所は、明るい豊かな社会への実現をするために、その歴史の時代背景の中で生まれる様々な地域課題の解決にむけて、一つずつ取り組んでまいりました。現在の函館市は冒頭にも述べたように人口減少が顕著な問題となっています。その原因は様々な理由がありますが、一つに若年層の流出というのがあります。私自身も18歳で函館から離れ、様々な地域で生活を行い34歳の時に函館市へと戻ってきました。私自身が戻ってきた理由は、純粋に函館が好きだから故郷に帰りたいという想いです。振り返ると、この地域に対する愛郷心は生まれ育った地域の環境や、幼少期での楽しい思い出などにより育まれたものだと思います。若年層の方たちが進学や就職などで函館市を離れるのは致し方なく、すぐに解決できるものではありません。しかし、私のように函館市に対する愛郷心を育むことで函館市を離れていた人たちが戻ってくることもあるかもしれません。だからこそ、私たちがこの地域の子供たちへ地域の魅力や楽しさを伝え幼少期の頃の記憶へ残るような運動を行う事で愛郷心を育み将来的な人口増大へつながるよう取り組んでまいります。


 諸先輩方が行った運動が地域に波及を呼び、形を変え現在も続いている事業や事柄が多くあります。その熱い志を受け継いだ私たちが、現在の地域課題と向き合い次の世代へと引き継がれるような運動を展開し、未来へと向け繋ぐことを約束いたします。

運営基盤の再構築〜より強い組織に〜

 函館青年会議所は長い歴史があり、その歴史の中で「先人たちの想い」を継承していきながら、その時代背景に即したものに変化し、組織が継続していきました。青年会議所の運動の根底は会議活動であり、会議を通じて様々な議論を交わすことで強い運動に成り、それが地域の未来のためにつながります。メンバー数が減少したからといってその会議や各種総会などの質が落ちてはいけません。先ずは、徹底して会議の質にこだわり、今以上に議論を重ね組織運営をできるように意識し、実施していくことが重要です。そして、主本である厳格な組織運営を意識しながらも、めまぐるしく変わる時代や情勢に合わせ柔軟に変化していくことも必要です。この75周年を迎えるにあたり改めて先輩方が紡いでくれた歴史や伝統を振り返り尊重しながら、取り入れるもの、変革すべきことを行い、厳格でありながら、柔軟な組織運営を目指してまいります。

未来を創造する

 現在、全国的にも会員減少の一途を辿り厳しい状況におかれており、函館青年会議所においても全盛期には200人を超える会員数がおりましたが、2025年度においては30名に満たないメンバー数でのスタートとなります。明るい豊かな社会の実現を目指す私たちが、より地域に波及効果を生むためには、志を同じくする同志を増やし地域のリーダーとして矜持を持ち活動していかなければいけません。私たちの組織が成長することで地域未来の創造へと繋がり、様々な社会課題にも立ち向かえる組織となることができます。そのためには、諸先輩方のご協力をいただきながら、地域に住む青年経済人の方達に我々のことを知ってもらえる機会を作ることが必要です。そのために青年会議所運動の楽しさや意義を伝えられる様々な交流の場を提供し、我々の運動に対し共感してもらうことでJCの輪を広げ、会員拡大へとつなげてまいります。

これからを担う子ども達の育成

 これからの地域の未来を担っていくのは子供たちであり、その子供たちを育てていくのは私たち大人の役割です。現在の子供たちを取り巻く環境は、子どもの生活空間の中に自然や広場などといった遊び場が少なくなる一方で,テレビゲームやインターネット等の普及により室内の遊びが増えたことなどで、過去の同年代に比べ体力の低下や運動能力の低下が問題視されています。さらに、地域コミュニティーの希薄化により、地域社会の大人が地
域の子どもの育ちに関心を持たず、我々世代が幼少期の頃とは変わり地域の大人たちが子供たちを見守る、育てるという環境は無く、利他的行動や自制心、規範意識や人間関係を形成するコミュニケーション能力、判断力などが不足してきていると感じます。今こそ我々が地域の未来を担う子供たちに、普段の生活ではできない原体験をさせてあげることで、子供たちに新たな気付きや人との交流やつながりから得られる思いやりの心やコミュニケーションを取ることの大事さ、身体を動かすことの重要さを伝え、健全な身体と心の育成をできる機会を提供し、成長を促してまいります。

地域へ届く広報を〜戦略的広報〜

 この函館青年会議所は地域の人々にとってどのような影響を与えているのでしょうか。どのような団体として認知され、その活動はどのように広がっているのでしょう。我々が日々地域課題の解決や、明るい豊かな社会の実現に向け活動を行っていたとしても、それが地域に伝播しない限り、大きな運動にはつながりません。近年は様々な情報発信の媒体があり各媒体によってもコミュニケーション、伝わり方が異なります。私たちが伝えたいと思っているターゲットはどういう方なのか、伝えたい内容や行動は何なのか、それに伴い最適な戦略は何なのか、など改めて一から構築し戦略を立て実行していく必要があります。我々の運動が地域に伝播し大きな影響を生むために、我々自身が様々なことを吸収し、戦略を立てながら広報活動を行ってまいります。

一人ひとりがやりがいを感じる組織に

 JCはいったい何のためにあるのか。私たちは明るい豊かな社会の実現を目指し、同じ志を持った同士が集う組織であると思います。しかし現在のメンバーの多くは、コロナ過またはそれ以降での入会者が多くおり、入会してから3年未満のメンバーが過半数を締め、経験も浅いことに加え、様々な社会状況の変化により、各々の価値観や好み、働き方、ライフスタイルまでが多様化し、JC活動への取り組み方も個々人により差があるのが現状です。社会課題の解決といったJC運動が本来為すべきことや理念が失われつつある昨今、立ち返るべき原理をメンバー一人ひとりが改めて認識しなければならないのではないでしょうか。個々のメンバーによる飽くなき自己研鑽による資質向上だけではなく、同じ方向を向けるように理念を再認識し、メンバー同士が互いに切磋琢磨しあう良好な人間関係を再構築していきながら、共に力を合わせ様々なことを創り上げることで、やりがいや楽しさを感じる組織づくりをおこなってまいります。

結びに

 私たち自身が楽しめないと誰も楽しめない。昨今のJC活動はメンバー数の減少などに伴い一人ひとりの負担が増し辛いと感じる場面もあるかもしれません。しかし私たちがこの活動の意義へ共感し、それぞれの活動にやりがいを持ち、楽しまなければ、地域への伝播どころか誰一人伝わることはありません。私たちが活動を楽しみこの想いを周りへ伝播させることで影響の輪が広がり私たちが目指す社会へとつながります。メンバーが一丸となりこの函館青年会議所を未来へとつなげていこう。

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